みかんちゃん。
2001年4月19日大学構内のハナミズキが満開に。
白と薄紅、柔らかな花びらに春の陽差しを受け止めて。
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『聴導犬』をご存じでしょうか。
盲導犬は今では一般にも広く知られた存在となっていますが、聴導犬はまだまだ日本では頭数が少なく、市民権を得ているとは言い難いのが実状のようです。
聴導犬は、補聴器では対応しきれないような重度難聴者とともに生活し、生活の中で必要最低限の音を主人に知らせる役割を果たしています。目覚し時計や電話の呼び出し音、赤ちゃんの泣き声、そして来客のチャイムなど……。火災探知機や非常ベルの音を知らせたり、歩行時に背後から自動車が近づいた時は主人に飛びついて避けさせるなど、難聴者が一人で生活する際の、万が一の危険回避に欠かせない存在となっています。
さて、今日の夕刊(朝日新聞)によると……昨年1月、JR西日本が聴導犬の同伴乗車を許可し、今日が初めての乗車だったとか。この聴導犬の名前が「みかん」ちゃん。乗車中もほえたり暴れたりすることなく、終始役割を果たしていたそうで何よりです。
盲導犬はその役割も重要性も見た目にすぐ分かるだけに、比較的早く日本社会にも受け入れられ始めているようです。一方、難聴者は傍目にその障害が気付かれないことが多いため、聴導犬の役割も認識されにくいように感じます。
しかし、他人に過度に頼ることなく社会的に自立した生活を送りたいと願う気持ちは皆同じ。聴導犬が難聴者にとっての自立への道であるならば、社会としてもより広く受け入れる姿勢を整えるべきではないでしょうか。
今回の車内同伴許可は大手鉄道会社では初めてのケース、そして聴導犬同伴を認めているデパートやレストランは未だごく少数だとか。バリアフリーが叫ばれる現在にあっても、一人一人が自立した生活を営むためにはまだまだ地道な活動と理解が必要なのだ、と痛感させられた新聞記事でした。
*参考サイト*
『ヒアリングドッグを育てる会』(リンク)
『聴導犬・美音とゆかいな家族』(リンク)
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