天国と地獄。

2001年5月20日

 昼少し前、JRの駅で携帯電話を持ってくるのを忘れたことに気づく。あれあれ? いつもの通りジーンズのポケットに入れてきたはずなのに...と思いつつ、これだけのために家に戻るのも面倒で。今日一日はケータイなしで行動することに。

 腹痛のお陰でここ数日間、一日1000kcalもなさそな流動食を強いられてきた身としては、とにかく美味しいものが食べたくて食べたくて。そこで気まぐれに芦屋まで出掛けてみることにしました。目指すは、ぜひ一度食べたいと思っていたクレープ・シュゼット。

 クレープ・シュゼットとは...薄く焼き上げたクレープを、柑橘系のリキュールを加えたオレンジソースで煮込んだデザートのこと。
 時は19世紀、フランスを訪れたイギリス国王エドワード7世(当時皇太子)をもてなすため、シェフのアンリ・シャルパンティエによって創作されました。そのあまりの美味しさに感激した皇太子は、その時同席していたシュゼット嬢の名を取って「クレープ・シュゼット」と名付け、シェフの才能を讃えたとか。

 そして今回のお目当ての店は、まさにそのシェフの名を店名とした「アンリ・シャルパンティエ」だったりします。


 JR芦屋駅に到着。まずは「シーキューブ」でパスタランチを頂いてから(この店は「アンリ〜」の姉妹店らしい...ソースの味に深みがあってすごく華やかな味! 良い食材を使っていると見た)、お目当ての店までてくてく歩く。少しは運動しておかないとね。

 さて、この「アンリ〜」ではクレープ・シュゼットをオーダーすると、なんとワゴンサービスで材料をテーブルまで運んできて、ウエイターが客の目の前で調理してくれるのです。オレンジソースを火にかけ、丁寧にクレープを並べて少し煮込み、最後にリキュールを加えて、ちょいと傾けて火をつけてアルコール分を飛ばして...フライパン上にぽっと輝く炎がなんとも美しい。見ているだけで期待が高まってくるような、作る楽しみにあふれる演出です。

 そして出来たてほやほやをいただきます...何だかもう声も出ません。濃厚な、リキュールの香り漂うオレンジソース、ただひたすら甘くて美味しい。甘党で良かった...と心から感謝するひととき。

 その後、「ビゴの店」で自宅用のパンを購入。芦屋から御影に寄って、いつもの「DANKE」でコーヒーを頂く。相変わらず素晴らしいウインナコーヒー。今日は本当にいい日だった、と幸せの余韻に浸りつつ帰宅の途につきました――


 しかし、楽しい時間は続かないというか、人生楽ありゃ苦もあるさというか...家に帰った途端、幸せの絶頂から恐怖のどん底へたたき込まれる現実が。

 「け、ケータイがない〜〜〜〜〜〜っっっ!」

 そう、なんと家にも携帯電話がなかったのです。ということは午前中にどこかで...? 慌ててバス会社に電話して確かめてもらったところ、どうやら家からバス停までのわずか数百mの間で落としてしまった模様。すぐ携帯会社に連絡して電話を止めてもらう。この時点で既に落としてから半日経ってしまっているのですが、止めないよりはマシでしょう。

 電話番号の大半は手帳に控えてあるし、PHSも持っているので私自身の生活にはそれほど支障がないのですが、問題はメモリ内の他の人の電話番号やメールアドレス。個人情報を悪用されないかと思うと不安で不安で...腹痛が再発しそうな感じです。あう。


*参考サイト*
 アンリ・シャルパンティエHP → リンク

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