事実を知るということ。
2001年5月24日ある施設で、若い男女が恋に落ちました。
やがて女性は赤ちゃんを身ごもりました。
でも、施設の職員は祝福するどころか、二人の行動を許しません。
女性には堕胎を強制し、さらには断種手術によって
男性の生殖能力を奪ったのです。
子孫を、愛の証をこの世に残すことさえ許されなかった二人。
先日、ある新聞で読んだ内容。
ハンセン病療養所にまつわるこの話を読んだ時、まるで体が冷水を浴びせられたように冷えていくのを感じました。にわかには信じ難いほどの人権の蹂躙が、基本的人権の尊重を謳った憲法の裏側で数十年にわたって続けられてきたなんて。
しかも恥ずかしいことに、私は今日まで一連のハンセン病問題について全く何も知らなかったのです。ハンセン病の発病と障害、治癒の状況、「らい予防法」と強制隔離の実態、そして社会に根強く残る差別と偏見...初めて知る事実に息の止まる思いをしながら、それでも様々なサイトと新聞を読み漁らずにはいられない。
国が全面敗訴したハンセン病国家賠償訴訟の熊本地裁判決に対し、政府は控訴を断念。
法律的なことや政府の内幕事情など、難しいことは私にはさっぱり分からない。実は小泉首相の大衆迎合的な政治手法なのかもしれない。でも、私にとってはそんなのはどうでもいいこと。この問題について知る機会を得られたことが、一番大切なことだから。
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