月読。

2001年7月6日

私のデスクトップは、月夜のCG。
漆黒の闇の中央に、大きな満月がまぶしく輝いている。

夜明け前、空が群青色から次第に白み始める頃。
部屋の明かりを全て消して、
窓からのかすかな光を頼りに、一人パソコンに向かう。
ふと、画面上に輝く月に魅せられて吸い込まれそうになる。
何故だか目が離せない...写真でしかないのに。

宮木幸一『ポストゲノムのゆくえ』(角川書店)によると、
人間のDNAは約30億個の塩基がにより構成されている。
その遺伝情報をコンピュータの情報量に置き換えると約60億bit。
つまりは1GBのHDに収まる量でしかない。
理論上、私の遺伝情報は全てこのパソコンで扱うことが出来る...

月に吸い込まれた私のDNA。
月が読み込んだ私の遺伝情報。

パソコンの中の私はどのような挙動を取るのだろう。
何を感じて、何を考えて、どんな文章を紡ぎ出すのだろう。
私の情報を持つパソコンは、今ここに生きる私と同じなのだろうか。
それとも、決定的に異なる存在なのだろうか...


...などと他愛もないことを考えてみた。

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