節分といえば。(2)
2002年2月6日昨日の続き。
さて、問題なのは3番目の「太巻き丸かぶり」。毎年変わる恵方(今年は北北西)に向かって、太巻き寿司(海苔巻き)をまるまる一本かじります。するとこの年は無病息災、幸せに暮らすことが出来るのだとか。ちなみに恵方とはこの年の歳徳神(さいとくじん)のいる方角で、干支によって決まります。
少なくとも京都では、2月になるとスーパーからコンビニに至るまで店頭に太巻きが並び、節分当日になると寿司屋の前にずらりと長蛇の列ができあがります。この風習、最近では関東でも少しずつ知られているらしいですが、初めて見るとかな〜り不思議な光景かも。
なお、この時の注意事項としては「太巻きを切らない」と「無言で願い事をしながらかじる」の2つ。何でも太巻きには「福や商売繁盛、厄除けなどを巻き込む」という意味があり、切れ目を入れると福がこぼれる恐れがあるのだそうです。または太巻きを「鬼を退治するこん棒」に見立てているとも。
...でもね、太巻きって直径5cm、長さ十数cmはあるでっかいお寿司でしょう。あれを一人で一本完食なんて絶対しんどいって! そして、家族揃って同じ方角を向きながら無言で大口を開けて太巻きにかぶりつく...想像するだけで笑えてきて仕方がないのですが。誰がこんな風習を考えたんだよ全く。
そこで気になるのはその由来。通説によると、この風習は江戸後期〜明治初期にかけて、大阪(奈良、愛知、和歌山の説もあり)の商家が一種の厄払いとして、商売繁盛・無病息災を祈願して始めたと言われています。または新町、堀江の色街の遊里関係者たちがなじみと縁が切れない縁起として丸かぶりを食べたのが始まりとも。市内の一般家庭でもごく内輪で行われたりしていたそうです。
そして1977年。大阪海苔問屋協同組合が節分のイベントとして「巻き寿司の早食い競争」を道頓堀で実施。それをマスコミが取り上げ、それに食品メーカーが便乗して、海苔需要の拡大のために「丸かぶり」を浸透させたというのが真相のようです。そう、つまりはバレンタインデーと同じ! いや〜、私もまさか本当に『海苔屋の陰謀』『寿司屋の陰謀』説が正しかったとは思いませんでしたよ(笑)。さすがはナニワの商人魂。
まぁそれでも季節イベントは楽しければ良し、というのが私の信条。ということで、今年もしっかり恵方を向いて(しかも方角が食卓と反対方向なのでわざわざ後ろ向きで)、無言で太巻き丸かぶりをめでたく敢行致しました。ただし、my母が作った太巻きは長すぎたので3分の1に切って...やっぱりこれじゃ効き目がないのでしょうか。巻き込まれていた福はこぼれちゃったのでしょうか(泣)。>大阪海苔問屋協同組合様
<参考サイト : 順不同>
「こよみのページ」
http://koyomi.vis.ne.jp/mainindex.htm
「何でも調査隊 豆まきのなぞ」
http://www.asahi-net.or.jp/~uw7y-nkmr/
「PariParifactory これであなたも海苔博士」
http://www.paripari.co.jp/hakase.html
「大阪風味−くいだおれ大阪どっとこむ!」
http://www.kuidaore-osaka.com/2top/fumi/01_shokusai/02-022.html
「今日は何の日2月3日」http://www.php.co.jp/today/2-3.html
「海苔JAPAN」http://www.nori-japan.com/
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